作り手の愛情が詰まった、
肉厚でおいしい「なめこ」。
農業組合法人 オークファーム 阿部高雄さん(鮭川村) 早くからつや姫生産に取り組み、つや姫を日本一にしたいと語る土屋さん。
長年の経験と感が育てる一級品。
山形県の北東に位置する最上地方は、日本でも有数のきのこの産地として知られています。なかでも鮭川村で育てられているなめこは人気が高く、その価値は年々上がっています。
「農事組合法人 オークファーム」では、鮭川村のおいしい空気をふんだんに取り入れながら室内で栽培を行っています。生産されたなめこの出荷先は現在、山形県内をはじめ東北地方が中心。その育成方法は、ブナやナラといった広葉樹の原木をおがくずにしたものにオリジナルの栄養剤を混ぜ、蒸気で殺菌したものを培地にします。そこへなめこの菌を植え付け、時間をかけてじっくり培養・熟成させ、86日目で収穫を行います。
「雑菌が入り込んでいる時は、においでわかりますね。それは35年なめこ作りをしてきたからこそわかる感覚。いくらコンピューターの時代と言えど、実際に人の目で見て感じないとわからないこともあるんですよ」と阿部さん。長年培ってきた経験が技となり、今ではほぼ雑菌のない空間を保つことができていると言います。
時間と手間をかけることで、一粒一粒にハリと重みがあるなめこが作られます。
室内で育つからこそ大切にしたい「四季」。
阿部さんが理想とするのは、ひと粒ひと粒に重みがあり、肉厚で、下まで丸みのあるなめこ。
「しっかり時間をかけ、細部までこだわりながら育てることで、理想に近いものが生産できていると思います」と阿部さん。そのための取り組みのひとつが、人工的に”四季”を作ること。温度や湿度を調整したり、ミクロ単位のフィルターを通した、澄んだ地下水の雨を降らせることで、自然の中で育つのと同じ条件を施設内に作り出しています。さらに化学肥料や農薬を一切使わず、種菌も生菌を100%採用。
「鮭川村の人たちは、みんなこだわりを持って、時間をかけてなめこを育てています」と阿部さん。品質が良く、日持ちの良い、おいしくて安心・安全な鮭川村のなめこは、これからますますトップブランドとして注目されていくに違いありません。
コンテナになめこが積み込まれた反転室。室内は、霧状に水が散布され、湿度が保たれています。
成長過程で発生する二酸化炭素も調整可能な発生室。芽吹いたばかりのなめこも、恵まれた環境の中すくすく育ちます。
なめこのサイズを選別する機械も導入されている加工場。県内外へ向けて出荷されています。