かまくらやさい(雪中野菜)

天然の貯蔵庫から、
おいしい野菜を皆さまのもとへ。

山形県アンテナショップおいしい山形 素材を訪ねて|かまくらゆきやさい:長倉 直人 さん (金山町)

長倉 直人 さん (金山町)

先人の知恵で、冬季間の農業に革命を

県内でも豪雪地帯として知られる金山町に、株式会社エヌシップはあります。同社は起業してから10年のまだ若い法人ですが、生産する野菜のおいしさをアップさせ、また冬季間の計画的な出荷を可能にしたことで注目を集めています。
その野菜の名は“かまくらやさい(雪中野菜)”。緑キャベツと紫キャベツ、また人参を、雪の中で長期保存し、市場への安定供給を手がけています。
また、以前は会計事務所に勤務していた代表の長倉さんは「農業でビジネスするならば、出荷量に責任を持たなければならないんです。」と話します。
実は雪中での野菜の保存は、地域で昔から行われていました。長倉さんは、偶然食べた雪中野菜のおいしさに感動し、自らの農業に取り入れることにしました。長期の保存によって冬季の出荷が安定するならば、これはきっとビジネスチャンスになると考えたのです。

山形県アンテナショップおいしい山形 素材を訪ねて|かまくらゆきやさい:冬の間も、仕分けと発送作業が続きます。冬季間の仕事の確保こそ、北国の農業に必要なもの。
山形県アンテナショップおいしい山形 素材を訪ねて|かまくらゆきやさい

糖度が高く、果実のような味わいの「かまくらゆきやさい」。

農業で、地域の雇用を増やす夢のために

「雪の中は常に摂氏0度で、湿度は100%です。天然のチルド室であり、圧倒的な鮮度保持能力があります。」
取材中に人参をひと口いただいたところ、みずみずしさと果物にも引けを取らない糖度を感じました。長倉さんは、このおいしさはもちろんですが、この保存法によって、これまでできなかった冬季間の取引が可能になることこそ、かまくらやさいの一番の利点だと話します。
「農閑期に人材を雇用することは困難です。私たちは、雪を利活用したこの保存法のおかげで、冬季の売り上げを組み立て、人を雇用することができました。」
この試みは、全国の食卓にはもちろん、これからの北国での農業に革命をもたらすかも知れません。

山形県アンテナショップおいしい山形 素材を訪ねて|かまくらゆきやさい:冬の間も、仕分けと発送作業が続きます。冬季間の仕事の確保こそ、北国の農業に必要なもの。
山形県アンテナショップおいしい山形 素材を訪ねて|かまくらゆきやさい

冬季間の仕事の確保こそ、北国の農業に必要なもの。冬の間も、仕分けと発送作業が続きます。

さらなる供給の安定化を目指して

生産の方法で、野菜に付加価値をつけることは大事なことだと長倉さんは続けます。「しかし、お手頃でおいしく、いつも安定して買える方が消費者の皆さんは嬉しいでしょう。生産者として、その方法を模索しています。」
農家として約束通りに野菜を提供できないことは、一番してはいけないことだと考えており、また野菜の安定供給を続けるためには、利益を確保し続けなければならない、と話してくれました。
現在エヌシップでは、味と品質に自信がある品種だけをかまくらやさいとして出荷しているそうです。その味わいを、ぜひ皆さんの食卓でお楽しみください。

山形県アンテナショップおいしい山形 素材を訪ねて|かまくらゆきやさい:天然のチルド室で熟成された野菜は、驚くほどの旨味を蓄えています。その味わいは、ぜひご家庭でお試しください。

天然のチルド室で熟成された野菜は、驚くほどの旨味を蓄えています。